カーボンニュートラルポート(CNP)

 カーボンニュートラルポート(Carbon Neutral Port:CNP)とは、港湾における温室効果ガスの排出削減と、水素・アンモニアなどの次世代エネルギーの受入環境の整備を進め、港湾地域全体の脱炭素化を目指す取り組みです。国土交通省は、港湾の競争力強化と脱炭素社会の実現に向けて、CNPの形成を推進しています。

港湾は、船舶による貨物輸送の拠点であると同時に、物流施設、荷役機械、トラック、発電所、製鉄所、化学工場などが集積する産業拠点でもあります。そのため、港湾の脱炭素化には、港湾施設だけでなく、船舶や貨物の輸送、荷役作業、臨海部の産業活動などを含めて対策を進めることが重要です。

 具体的な取り組みとしては、港湾施設や荷役機械の電化、省エネルギー設備の導入、太陽光発電などの再生可能エネルギーの活用、港湾内を走行する車両の低炭素化、船舶への陸上電力供給、水素・燃料アンモニアなどを受け入れるための貯蔵・供給施設の整備などが挙げられます。こうした対策を通じて、港湾で発生する温室効果ガスの削減と、臨海部産業のエネルギー転換を支援します。

 CNPの形成では、港湾管理者が中心となり、国、地方公共団体、港湾運送事業者、船会社、物流企業、エネルギー事業者、臨海部の工場などが連携します。2022年の港湾法改正により、港湾管理者が官民の関係者で構成される「港湾脱炭素化推進協議会」を開催し、その検討を踏まえて「港湾脱炭素化推進計画」を作成する制度が整備されました。計画では、温室効果ガス排出量の現状や削減目標、具体的な対策、水素・燃料アンモニアなどの供給目標や供給計画などを整理します。

 また、国土交通省は2025年3月に「CNP認証(コンテナターミナル)」を創設しました。この制度は、コンテナターミナルの脱炭素化に向けた取り組みを客観的に評価し、取り組みの透明性を高めることで、さらなる脱炭素化を促進するものです。

 CNPの形成には、温室効果ガスの排出削減だけでなく、脱炭素化に取り組む荷主や船会社から選ばれる港湾の形成、臨海部産業の競争力強化、水素などの新たなエネルギー供給網の構築といった効果も期待されています。一方で、設備整備にかかる費用、次世代エネルギーの安定供給、関係事業者間の調整、技術の普及などが課題となります。

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