ブルーカーボン
ブルーカーボンとは、海草や海藻、干潟、マングローブ林などの沿岸・海洋生態系が吸収し、海底などに蓄積する炭素のことです。陸上の森林などが吸収・貯留する「グリーンカーボン」と区別され、地球温暖化対策における重要な炭素吸収源として注目されています。環境省および国土交通省が、ブルーカーボンに関する情報や施策を公表しています。
ブルーカーボンを吸収・貯留する主な生態系には、アマモなどの海草が繁茂する海草藻場、コンブやワカメなどの海藻が繁茂する海藻藻場、干潟・塩性湿地、マングローブ林があります。これらの生態系では、植物などが光合成によって二酸化炭素を取り込み、その炭素が生物体や海底の堆積物などに蓄積されます。特に、炭素を長期間にわたって隔離・貯留できることが、気候変動対策として重要です。
ブルーカーボン生態系には、二酸化炭素の吸収・貯留だけでなく、水質浄化、生物多様性の保全、水産資源の育成、魚介類の生息場の提供、海岸環境の保全など、多面的な機能があります。そのため、藻場や干潟の保全・再生は、地球温暖化対策と海洋環境の保全を同時に進める取り組みとして重要です。
建設・港湾分野では、港湾施設の整備や海岸環境の改善とあわせて、藻場や干潟などの生態系を保全・再生する取り組みが進められています。例えば、港湾の護岸や防波堤などで生物が生息しやすい環境を形成する「ブルーインフラ」の取り組みは、ブルーカーボンの創出や生物多様性の保全につながる可能性があります。ただし、すべての港湾整備が自動的に炭素吸収量の増加につながるわけではなく、実際の効果は生態系の状況や整備方法などによって異なります。
また、日本では、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が「Jブルークレジット®」制度を運用しています。これは、藻場などのブルーカーボン生態系による二酸化炭素の吸収・貯留量を、所定の方法論に基づいて評価し、第三者委員会の審議を経て認証・発行するカーボンクレジット制度です。藻場の保全・再生などの活動を通じて生み出された環境価値を可視化し、企業などによる活動支援につなげる仕組みです。
ブルーカーボンを推進するうえでは、藻場や干潟の減少への対応、保全・再生活動の継続、炭素吸収・貯留量の科学的な評価、活動を支える資金の確保などが課題となります。炭素吸収量を適切に評価するためには、生態系の状態や炭素の貯留期間などを考慮する必要があります。

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