事前防災
事前防災とは、災害が発生してから復旧するだけでなく、災害が起きる前に対策を講じ、被害そのものを減らす考え方です。国土強靱化では、事前防災・減災を重視し、国や自治体、民間企業などが連携して、災害に強い社会基盤を整備することを目指しています。
具体的な取組として、洪水に備えた河川改修や堤防整備、土砂災害を防ぐ砂防施設の整備、道路・橋梁・上下水道の耐震化、老朽化したインフラの予防保全などがあります。また、ハザードマップの作成、避難計画の策定、防災訓練、企業の事業継続計画(BCP)の整備なども事前防災に含まれます。施設を強化するハード対策と、避難や情報伝達などのソフト対策を組み合わせることが重要です。
事前防災のメリットは、人命や財産への被害を減らせること、災害後の復旧費用や経済活動の停止による損失を抑えられること、重要なインフラや行政サービスを維持しやすくなることです。一方、対策には事前の予算や時間が必要であり、すべての災害を完全に防ぐことはできません。そのため、地域の災害リスクや施設の重要度に応じて優先順位をつけ、対策の効果を検証しながら継続的に改善する必要があります。
政策面では、国土強靱化基本計画に加え、2025年6月に「第1次国土強靱化実施中期計画」が閣議決定され、2026年度から2030年度までの5年間に重点的に実施する施策が定められています。国土強靱化は、事前防災を国全体で計画的に進めるための枠組みといえます。

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