R5(6)設計成果品の品質確保
設問①、②について、1200~1600字の間で記述しなさい。次の8つの用語
「設計瑕疵」「条件確認」「品質管理」「工程管理」「照査体制」「照査ツール」「コミュニケーション」及び「教育訓練」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいず
れも可)、4つ以上を用いていればよい。
①設計成果品の現状と課題
②設計成果品の品質確保に向けた建設コンサルタントとしての取り組み
以下、解答例です。
設計成果品の現状と課題
我々建設コンサルタントが行う調査・設計業務は社会資本整備・維持管理の上流に当たり、公共工事等の品質を確保するうえで非常に重要な役割を持つ。
令和元年改正の品確法では“公共工事に関する調査・設計の品質確保が公共工事の品質を確保するために必要”と明記され、それが重要であるということは最早当然のものとなっている。
設計成果品の品質確保にあたっては、次に挙げられるような課題がある。
①設計条件決定の遅れ。設計条件が定まらないことから設計業務の遂行が遅れることで、照査のための工期が圧迫され、照査が不適切なものとなる。
早期に設計条件を確定することが課題となるが、特に既往調査・設計資料、事業目的、現場の制約、地域住民の意向等は発注者が把握していることが多く、業務開始時点における発注者案件の把握が効果的な対策となる。
②人員不足。担い手不足が著しい今日の建設コンサルタントでは、必然的に技術者一人一人の作業量が多くなる。
作業量過多は単純エラーの原因となり成果品の品質を低下させるとともに、手戻りが発生することで工程に遅れが生じ、照査が不適切なものとなる。
人員不足の解消が容易でないことは明白であり、「教育訓練」等による技術者一人一人の生産性向上が課題となる。
③設計成果と施工現場の不整合。十分に検討・照査を行った設計が、現場条件に合致しないために修正を要することがよく見られる。
設計時に現場「条件確認」や施工者の知見を取り入れることが課題であり、施工者との連携が有効な対策となる。
④新しい働き方への対応。コロナ禍を契機としたテレワークの普及や働き方改革による残業時間削減の動き等、建設コンサルタントの働き方はその形を変えつつある。
在宅勤務であるため紙ベースの書類閲覧ができない、管理・担当技術者の「コミュニケーション」がとりづらくなった、残業時間に制限が設けられることで一日当たりの作業可能時間が減った等の影響が生じており、これらに起因する品質低下の防止が課題となる。
設計成果品の品質確保に向けた建設コンサルタントとしての取り組み
設計成果品の品質確保に向けた建設コンサルタントとしての取り組みは、次のようなものが例として挙げられる。
①設計成果の品質確保に向けた適切な照査の実施:設計成果の品質確保のためには、受注者自身による適切な照査実施が最も効果的である。
そのためには“照査のための期間の確保”及び“適切な照査の実施”が重要であり、前者では適切な「工程管理」、後者では赤黄チェックの実施や基準に基づく電子納品の徹底等が挙げられる。
技術者一人一人の生産性向上が業界の重要課題となっている今日においては、生産性向上を目的にDX等に基づく新たな「照査ツール」の導入が一層期待される。
②受発注者の「コミュニケーション」円滑化:特に公共事業では受発注者間の合意形成が頻繁に行われるため、迅速な合意形成を実現することが重要となる。即ち工程の遅れを防止することで照査に必要な期間を確保することが可能となる。
業務スケジュール管理表の活用、ワンデーレスポンスの実施、特に合同現地踏査の実施によって設計条件や施工時の留意点等を受発注者相互に確認でき、現場条件と合致しないことによる手戻りの防止に大きく寄与する。
③条件明示チェックシートの活用:平成26年に公表された条件明示ガイドライン(案)では、条件明示チェックシートの活用が推進されている。
チェックシートは道路詳細設計や橋梁詳細設計等工種毎に定められ、明示項目(道路)では“塩害対策の必要性とその手法は明確になっているか”、“埋設物台帳・占有物件台帳はあるか”等である。受注者はこれを業務受注時に発注者から受け取り条件を把握することで業務の円滑な実施、ひいては成果品の品質確保が期待される。
建設業界全体としてみれば、適切な工期の設定や業務繰越の柔軟な対応等、発注者側の取り組みも重要なものとして位置付けられている。即ち、受発注者がそれぞれの対応を精力的に取り組むことが重要であり、技術者は自らが行う業務において上記のような取り組みを確実に実施することが求められる。
設計成果品の品質確保に向けた建設コンサルタントとしての取り組みは、次のようなものが例として挙げられる。

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