道路部門における脱炭素化
道路部門における脱炭素化とは、道路を造る段階から、維持管理、道路を利用する自動車などの交通まで、道路に関わるCO₂排出量を削減する取り組みです。国土交通省によると、道路分野は国内のCO₂排出量の約18%を占めており、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、道路管理者も積極的に取り組む必要があります。
2025年4月の道路法改正により、道路管理者が連携して脱炭素化を進める枠組みが導入されました。国が「道路脱炭素化基本方針」を定め、国や高速道路会社、地方公共団体などが、それに基づいて「道路脱炭素化推進計画」を策定する仕組みです。計画では、道路の管理・整備・利用の各分野で、目標や具体的な取り組み、ロードマップを定めます。
主な取り組みは、次のように整理できます。
道路を管理する段階では、道路照明のLED化や再生可能エネルギーの活用により、照明・施設の電力消費に伴うCO₂排出量を削減します。また、道路空間への太陽光発電設備の導入など、道路インフラ自体を省エネ化・創エネ化する取り組みも進められています。
道路を整備・建設する段階では、低炭素アスファルトや低炭素コンクリートなどの建設材料の導入、建設機械の電動化や次世代燃料の活用を進めます。さらに、道路の新設から維持管理、更新までのライフサイクル全体でCO₂排出量を削減することが重要です。
道路を利用する段階では、電気自動車(EV)の充電環境整備、自転車や公共交通など環境負荷の小さい移動手段への転換、渋滞対策による走行の円滑化、物流の効率化などを推進します。道路空間を活用した発電・給電設備の整備も、次世代自動車の普及を支える取り組みです。
最近の動きとして、国土交通省は2025年10月に「道路脱炭素化基本方針」と「道路分野の脱炭素化政策集 Ver.2.0」を公表しました。2026年5月には、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の高速道路施設への導入、地下水熱・地中熱を活用した融雪、使用済み電池を活用したソーラー街灯など、先進技術の現場実装を進める方針を示しています
今後の課題は、設備導入の費用や効果、技術の耐久性、地域ごとの条件を考慮しながら、削減効果を検証し、取り組みを継続・拡大していくことです。また、国・高速道路会社・地方公共団体などが連携し、計画の進捗やCO₂削減効果を確認することも重要です。

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