R6(6)安全な国土づくり
設問①、②について、1200~1600 字の間で記述しなさい。次の8つの用語「巨大災害」「国民経済・生活」「サプライチェーン」「重要インフラ」「国土強靭化」「ハード対策」「ソフト対策」及び「災害に強いまちづくり」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、
②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用
いていればよい。
①わが国における安全な国土づくりに向けた課題
②安全な国土づくりに向けた防災・減災及びまちづくりのあり方
以下、解答例です。
わが国における安全な国土づくりに向けた課題
我が国は地震、津波、台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、火山噴火といった自然災害が多発することで知られている。これは四方を海で囲まれ、狭い国土には急峻な山岳が広がるとともに急こう配の河川が形成され、日本列島付近には活断層やプレート境界が存在する等、我が国の位置や地形・気象条件が原因となっている。
近年では令和6年1月の能登半島地震、令和5年7月豪雨(九州~関東)、令和4年3月の福島県沖地震が記憶に新しい。このような環境下であることから、我が国はかねてより「ハード対策」・「ソフト対策」両面の実施による効率的なインフラ整備や、自助・共助・公助を定めた「国土強靭化」基本計画の策定等に精力的に取り組んできたが、依然として次に示す課題が残っている。
①気候変動による災害の激甚化・頻発化。水害や土砂災害の誘因となる豪雨について、近年雨の降り方の変化が確認されており、200mm/day以上の大雨や50mm/hの短時間強雨が増加傾向にあるとされている。
これらは主に地球温暖化がもたらす異常気象であり、早期の脱炭素化達成が国際社会共通の課題となっている。
②老朽化インフラの増加。国民経済や持続可能な地域社会形成の基盤となる我が国のインフラは、高度経済成長期頃に整備されたものが多く、整備から50年を経過する施設が今後加速度的に増加することが分かっている。
このため、計画的な整備・維持管理が求められるとともに、更新に要する膨大なコストの確保と今後のインフラメンテナンスの在り方が課題となっている。
③巨大地震への対応。南海トラフ巨大地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の発生が懸念されており、いずれも広範囲かつ甚大な被害を生じさせると予想されている。
特に大都市圏の被災が予想される地震に関しては、人口・財産に加え、政治・行政・経済の中枢や「重要インフラ」が集中していることから、大都市圏にとどまらない社会的・経済的被害の拡大が強く懸念されている。
安全な国土づくりに向けた防災・減災及びまちづくりのあり方
安全な国土づくりに向けた防災・減災及びまちづくりのあり方としては、次のようなものが挙げられる。
①脱炭素化の推進。気候変動に対する取組みとしては脱炭素化による地球温暖化の進行防止が急務となっている。
我が国においては温室効果ガスの排出を2030年度に46%削減(2013年比)、2050年には排出を全体としてゼロとするカーボンニュートラル宣言を行い、その成果を上げるに待ったなしの状態となっている。
運輸部門や民生部門のイノベーション(EV充電設備の整備、次世代自動車やLCCM住宅の導入促進等)、再生可能エネルギーの利用拡大(広大で上空構造物のない空港周辺における太陽光発電、港湾区域に整備する洋上風力発電等)等が有効な取り組みとして挙げられる。
②持続可能なインフラメンテナンスの実現。限られた人員、コストの中で膨大なインフラの適正なメンテナンスを実現するためには、そのあり方を革新することが必要となる。
予防保全型への本格転換(従前の事後保全型に変わり、予防保全型への転換によるライフサイクルコストの圧縮)、新技術やICT等デジタル技術活用による生産性向上(高性能カメラやAIを用いたひび割れ検出等による省人化や、デジタル化した調査・管理データ集積によるビッグデータの構築)、インフラストックの適正化(施設の更新・修繕に併せて、社会情勢や現在の地域のニーズを把握し、インフラの集約・再編を図る)等が挙げられる。
③巨大地震発生時の具体的活動体制の構築と平時の準備。地震発生時に予想される様々な状況に対し、速やかな救助・復旧活動を可能とする体制を整えておくことが肝要となる。
TEC-FORCEやリエゾン派遣体制の整備、エネルギー源多様化の推進を目的とした天然ガス自動車や電気バスの普及、地震発生時の通信手段や非常用電源の確保、ICT等新技術を用いた地震発生時の情報共有・提供の高度化等が挙げられる。
改正品確法(令和元年6月)においては、災害時の入札契約方式の選定方法等、災害時の対応のあり方について明記され、緊急対応の強化充実が図られた。

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