擁壁に作用する荷重④

雪荷重

道路土工-擁壁工指針 p.60~
(初めてちゃんと見た、しかし意外と単純)

SW = γs×Zs

SW:雪荷重(kN/m2)
γs:雪の平均単位体積重量(kN/m3)=3.5kN/m3
Zs :設計積雪深(m)=設置地点における再現期間10年に相当する念最大積雪深

3.5kN/m3の雪がZsメートル堆積したとの計算です、単純。

また、車両通過時の荷重を次のように定義してあります。

圧縮された雪の上を車両が通過する場合には、規定の載荷重の他に雪荷重として1.0kN/m2(圧縮された雪で15cm厚)を考慮するものとする。【擁壁工指針p.61】

圧縮された雪の密度が増加することで1.0kN/m2を追加で考慮する必要があります。

衝突荷重

道路土工-擁壁工指針 p.61~
防護柵の設置基準・同解説 p.65~

衝突荷重は「たわみ性防護柵」「剛性防護柵」「転落・横断防止柵」に細分化されます。たわみ性・剛性防護柵はガードレールを指します。

防護柵と転落・横断防止柵の荷重の単位が異なることがわかります。擁壁の安定計算は横断面を用いて設計しますが、衝突荷重は擁壁工指針p.61にその取扱いを明示してあります。

「防護柵への衝突荷重は~擁壁1ブロックあたり1か所に作用するものとしてよい。擁壁自体の安定性の照査に当たっては、衝突荷重を1ブロック全体で受け持つものとして計算を行うものとする。」

即ち、伸縮目地で区切られた1ブロック(通常は無筋10m、鉄筋20m)に上図の荷重を作用させます。この時、目地間隔を小さくするとメートル当たりの荷重が大きくなるため注意が必要です。某擁壁設計ソフトはちゃんとブロック長の入力箇所があるため、設定を忘れないようにしましょう。

また、たわみ性防護柵は車両が擁壁天端に車輪が乗るため、衝突荷重と同時に全輪荷重25kNを考慮します。
明記されていませんが、剛性防護柵はたわみが生じないため天端に車両が乗ることを考慮しないということになります。

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