VFM(Value for Money)

 VFM(Value for Money:バリュー・フォー・マネー)とは、支払った費用に対して、最も価値の高い公共サービスを提供するという考え方です。特にPPP・PFI事業で重要な評価指標であり、従来の公共事業方式と民間活用方式を比較し、費用に対する効果が高いかどうかを判断するために用いられます。

 VFMが重視される背景には、公共施設の整備や維持管理に必要な費用が増加する一方、自治体の財政には制約があることがあります。限られた予算で質の高い公共サービスを提供するため、施設の建設費だけでなく、維持管理費や運営費も含めて、事業全体の費用とサービスの質を比較することが重要です。

 VFMの評価では、主に「PSC」と「PFI-LCC」を比較します。PSC(Public Sector Comparator)は、従来どおり公共部門が自ら事業を実施した場合の、事業期間全体における公的財政負担の見込額です。PFI-LCCは、PFI方式で実施した場合の公的財政負担の見込額です。複数年にわたる費用を比較する際には、将来の費用を現在の価値に換算して評価します。

 一般的なVFMの算定式は、次のとおりです。

VFM(%) = ( PSC – PFILCC ) ÷ PSC ×100

 例えば、従来方式で事業を実施した場合の公的負担額が100億円、PFI方式の場合が90億円と見込まれるなら、VFMは10%です。これは、同じ水準の公共サービスを提供するという前提で、PFI方式によって公的負担額を10%削減できる見込みを意味します。

 VFMを高める要因には、設計・建設・維持管理・運営を一体的に行うことによる効率化、民間の技術やノウハウの活用、適切なリスク分担などがあります。一方で、民間の資金調達に伴う利息や事業者の利益などが費用を押し上げる場合もあります。そのため、PFIを導入すれば必ずVFMが得られるわけではなく、事業ごとに費用とサービス水準を総合的に評価する必要があります。

 また、VFMは単なるコスト削減率ではありません。PFI方式の費用が従来方式と同程度でも、サービスの質や利便性の向上が期待できる場合には、VFMがあると評価されることがあります。逆に、費用が安くても公共サービスの質が大きく低下するのであれば、望ましい事業方式とはいえません。


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