R6(1)工程管理と働き方改革
設問①、②について、業務遂行能力の観点から、1200~1600字の間で記述しなさい。次の7つの用語「工程表」「情報共有」「履行期間」「長時間労働」「ウィークリースタンス」「生産性向上」「ワークライフバランス(WLB)」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた語は「」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、
②併せずりのいずれも可)、4つ以上を用
いていればよい。
①建設コンサルタントの工程管理の現状と課題
②建設コンサルタントの働き方改革と工程管理のあり方
以下、解答例です。
建設コンサルタントの工程管理の現状と課題
今日の建設業界においては、熟練者の大量離職と参入する若年層の減少による担い手不足、激甚化する自然災害、建設後50年を経過する老朽化インフラの急増、働き方改革による一人当たりの就業(残業)時間の制限、SDGsの推進による多方面からのニーズへの対応等様々な問題に直面している。
このような業務量の増加と技術者の減少に対する建設コンサルタントとしての対応は、適切な工程管理による「生産性向上」が効果的であるが、依然次のような課題が残る。
①就業環境を原因とする技術者の減少:建設コンサルタント業従事者の所定時間外労働は、納期の集中する2~3月に向けて増加傾向にあり、その期間における「長時間労働」はやむを得ない労働環境となっている。
このような環境が建設業界の負のイメージを与え、更なる技術者の流出を招くという負のスパイラルを生じている。適正な工程管理の実施には、十分なマンパワーの確保が必要不可欠であることから、これらの改善を図ることが課題となっている。
②突発的、または作業期間が短い依頼への対応。業務遂行上、発注者からの突発的な依頼や作業期間が短い依頼(例えば、明日までに等)が生じることがある。
このような依頼に応えるため、他の業務の作業を止め、時には人員を増加して対応する。しかし、この対応では他業務の工程を著しく圧迫し、一業務・社員一人に留まらず多くの業務や社員へ影響を与えるため、影響を生じさせないような他の対応方法を確立することが課題となっている。
③照査時間の圧迫。通常、業務遂行においては一切問題なく進行することなどなく、常に問題が生じ、工夫して対応しながら業務を遂行する。しかし、この対応に掛けた時間のしわ寄せが照査に及ぶことがよく見られる。
照査が不十分であることは成果品の品質が不十分である可能性を含み、即ち工程管理が成果品の品質に大きな影響を与える。このため、照査時間を確実に確保するための工程管理の改善が課題となっている。
建設コンサルタントの働き方改革と工程管理のあり方
上述の課題を解決するような働き方改革、工程管理の在り方は次のようなものである。
①就業環境の改善。労働環境改善による新たな担い手の確保および現労働者の離職防止のためには、「長時間労働」や女性雇用の少なさ等ステレオタイプの環境・構造を改善し、魅力的な働き方の発信を図ることが重要となる。
即ち、労働者の「ワークライフバランス(WLB)」を充実させることが重要であり、働きやすい就業・生活環境の創出により労働力を確保することで業務に対する十分な人員・時間を確保し、工程管理の適正な実施を図る。
働きやすい就業環境創出の取組みとしてはノー残業デーの設定、裁量労働制の導入、WEB会議やテレワークの推進等が挙げられる。
②「ウィークリースタンス」の取り組み推進。突発的な依頼等による受注者の負担解消は受注者側のみの対応は困難であり、受発注者が協力して対応することが最も効果的である。
“週明け日を依頼の期限日としない”、”休日前に新たな依頼をしない“、”作業内容に見合った作業期間を確保する“等「ウィークリースタンス」の活用が期待される。
初回打合せ時に「ウィークリースタンス」推進チェックシートを用いて受発注者間で取り組み内容を定めるとともに業務スケジュール表を併せて活用することで、更なる工程管理の高度化、成果品の品質向上が期待される。また、就労環境が改善されることから、業界の魅力向上にも寄与することとなる。
③照査時間の確保。適正な照査時間を確実に確保するような工程管理が必要であり、従来の工程管理に加え、受発注者間のコミュニケーションが重要となる。
具体例としては“業務スケジュール管理表の活用による受発注者間の役割分担の明確化、懸案事項・業務スケジュール等の「情報共有」”、“ワンデーレスポンスによる早期の回答または回答可能な日の通知による回答の確実な実施・業務の円滑化”、“合同現地踏査による設計条件・施工の留意点、設計方針の明確化・共有”等が挙げられる。

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