R4(4)安全な国土づくり(RCCM問題Ⅲ解答例)

設問

設問①、②について、1200~1600字の間で記述しなさい。次の8つの用語「巨大災害」「国民経済・
生活」「サプライチェーン」「重要インフラ」「国土強靭化」「ハード対策」「ソフト対策」及び「災害に
強いまちづくり」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。 記述文中で用いた用語は「 」で囲
んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用
いていればよい。
①わが国における安全な国土づくりに向けた課題
②安全な国土づくりに向けた防災・減災及びまちづくりのあり方

以下、解答例です。

わが国における安全な国土づくりに向けた課題

 我が国は地震、津波、台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害、火山噴火といった自然災害が多発することで知られている。これは四方を海で囲まれ、狭い国土には急峻な山岳が広がるとともに急こう配の河川が形成され、日本列島付近に活断層やプレート境界が存在する等、我が国の位置や地形・気象条件が原因となっている。
 近年では令和4年3月の福島県沖地震、令和3年7月豪雨(静岡県等)、令和2年7月豪雨(熊本県等)が記憶に新しい。このような環境下であることから、我が国はかねてより「ハード対策」「ソフト対策」両面の実施による効率的なインフラ整備や、自助・共助・公助を定めた「国土強靭化」基本計画の策定等に精力的に取り組んできたが、依然として次に示す課題が残っている。

 ①気候変動による災害の激甚化・頻発化。水害・土砂災害の誘因となる豪雨については、近年雨の降り方の変化が確認されており、200mm/day以上の大雨や50mm/hの短時間強雨は増加傾向にあることが示されている。
 これは主に地球温暖化がもたらす異常気象とされており、早期の脱炭素化達成が国際社会共通の課題となっている。また、我が国においては降雨量や潮位の上昇を考慮し、河川や海岸、港湾等における整備計画を見直す必要が生じている。

 ②老朽化インフラの増加。国民経済や持続可能な地域社会形成の基盤となる我が国のインフラは高度経済成長期頃に整備されたものが多く、整備から50年を経過する施設が今後加速度的に増加することが分かっている。
 このため計画な整備・維持管理が求められるとともに、更新に要する膨大なコストの確保と今後のインフラメンテナンスの在り方が課題となっている。

 ③巨大地震への対応。南海トラフ巨大地震、首都直下地震、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の発生が懸念されており、いずれも広範囲かつ甚大な被害を生じさせると予想されている。
 特に首都直下地震の発生に関しては、人口・財産に加え、政治・行政・経済の中枢や「重要インフラ」が集中していることから、首都圏にとどまらない経済的被害の拡大や海外への影響が強く懸念されている。

安全な国土づくりに向けた防災・減災及びまちづくりのあり方

 あらゆる自然災害から国民の命と暮らしを守り、かつ持続可能な経済成長を維持することで、「国民経済・生活」が確保される。そのためには従来の防災の在り方に代わり防災・減災が主流となる社会の構築が必要であり、国土交通省は行政、民間企業、国民一人一人が生活・経済活動において防災・減災を考慮することが当たり前となる社会を目指すべき姿としている。
 そのための取り組みとしては国民の防災意識の向上を目的とした災害・防災情報のわかりやすい発信、国・県・市町村に加え企業・住民間の連携の強化等が挙げられており、国民の意識・連携に着目する一層進歩した「ソフト対策」がこれからの防災・減災の鍵となっている。
 このような基本理念の下、次のような防災・減災・まちづくりの在り方が求められている。

 ①脱炭素化の推進。気候変動に対する取り組みとしては脱炭素化が有効とされており、我が国においては温室効果ガスの排出を2030年度に46%削減(2013年比)、2050年には排出を全体としてゼロとするカーボンニュートラル宣言を行った。
 今後は再生可能エネルギーの利用や脱炭素型ライフスタイルの普及、建築物や物流の脱炭素化の推進が求められている。

 ②持続可能なインフラメンテナンスの実現。老朽化インフラの急増に対する取り組みとしては、予防保全への本格転換、新技術・官民連携手法の普及による生産性向上、インフラストック適正化の推進が挙げられる。
 これらを柱として策定の定期的な見直し、点検・診断の確実な実施、計画的な投資等トータルコストの縮減と予算の平準化が必要となる。

 ③巨大地震発生時の具体的活動体制の構築と平時の準備。地震発生時に予想される様々な状況を想定し、速やかな救助・復旧活動を可能とすることが必要となる。
 詳細としてはTEC-FORCEやリエゾン派遣体制の整備、エネルギー源多様化の推進を目的とした天然ガス自動車や電気バスの普及、地震発生時の通信手段や非常用電源の確保、ICT等新技術を用いた災害発生時の情報共有・提供の高度化等が挙げられる。

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