漁港の土質定数の設定

 漁港構造物の設計における地盤は砂質土および粘性土のいずれかによって、粘着力cまたは内部摩擦角φを設定します。

“砂質土の内部摩擦角の決定方法
 砂質土の内部摩擦角は、三軸CD試験(圧密排水)試験によって求められる。しかし、三軸試験に供する砂質土の乱れの少ない資料の採取は、多額の費用を必要とする。このため、照査に用いる砂質土の内部摩擦角は、標準貫入試験のN値から推定する場合が多い。内部摩擦角をN値から求める際、式2-9-14より推定してもよい。

ここに、
 φ:照査に用いる砂質土の内部摩擦角(°)
 N:標準貫入試験より得られるN値
 pv0‘:標準貫入試験のN値を測定したときの有効土かぶり圧(kN/m2)”
【漁港・漁場の施設の設計参考図書 2015年版 p.140】


 砂質土は間隙が大きく、間隙水が即時に排水されることから排水条件での強度を採用します。pv0‘は土の単位体積重量(標準では18N/mm2)、海水の単位体積重量および海水位より算定します。

“粘性土の非排水せん断強さの決定方法
 粘性土の非排水せん断強さcuは、一般に式2-9-18より求める。

ここに、
 qu:一軸圧縮強さの平均値(kN/m2)”
【漁港・漁場の施設の設計参考図書 2015年版 p.141】

 粘性土の場合は透水性が小さいことから、間隙水が即時に排水されないため、非排水条件での強度を採用します。即ち、一軸圧縮試験結果を用いることとなります。また、粘性土地盤の非排水せん断強さは一般的に深度に従って増加し、式2-9-19のように表されます。

cu=cu0+kz ・・・(式2-9-19)

ここに、
 z:地表面からの深さ(m)
 cu:深さzにおける粘性土地盤の非排水せん断強さ(kN/m3)
 cu0:地表面におけるcu値(kN/m3)
 k:深さに対するcuの増加割合(kN/m3)
【漁港・漁場の施設の設計三頭図書 2015年版 p.141】

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