不規則な波を取り扱う方法

 不規則な波を取り扱う方法として、以下に示すように5つの方法が挙げられる。

 ①単一有義波法
 不規則な海の波を波高と周期が有義波の諸元に等しい規則波で代表させ、その規則波の変形を理論又は実験で求めて海の波の変形を推定する方法。
 ②単一最高波法
 不規則な海の波を波高と周期が最高波の諸元に等しい規則波で代表させる方法
 ③確率分布法
 不規則な波群中の一波一波をそれぞれ規則波で近似し、その結果を各波の出現率を考慮して加え合わせる方法。
 ④不規則波実験法
 不規則波造波機を用いて、直接不規則波による実験を行って定める方法。
 ⑤スペクトル法
 波のスペクトルを用いて解析する方法。

 上述した方法は、それぞれの特性から状況に応じて使い分けする必要がある。以下に一般的と思われる適用例を示す。

 ①単一有義波法
 深海波の発達、うねるの減衰、屈折、浅水変形、海浜流の発生、漂砂現象(回折、反射)
 ②単一最高波法
 波力
 ③確率分布法
 砕波変形、海浜流の発生、漂砂現象、越波
 ④スペクトル法
 深海波の発達、うねりの減水、回折、屈折、浅水変形、反射、波力

漁港・漁場の施設の設計参考図書 – 30 – (水産庁 2015年版[上])

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