2018年問31~35【コンクリート診断士】

問31:橋梁

 ポストテンション方式PC連続箱桁のウエブに写真に示すような豆板が発生し、調査の結果、図のような不良部分を確認した。プレストレスの導入前に行う不良部分の補修方法に関する、次の(1)~(4)の記述のうち、最も適当なものはどれか。

 (1) 不良部分の表面にポリマーセメントモルタルを塗布
 (2) 不良部分の空洞部にエポキシ樹脂を注入
 (3) 不良部分をはつり取りポリマーセメントモルタルを充填
 (4) 不良部分をはつり取りコンクリートの打ち込み

正答:4

 豆板の規模が深さ200mm、延長3mと非常に大きく、またプレストレス導入に当たっては構造的に健全であることが求められます。このため不良部分のはつり取り後、コンクリートを打設する対策が有効となります。
 判断の基準となるものは(今のところ)確認できていません。

問32:橋梁

 下図は1975年に建設された道路橋のポストテンション方式PCT桁で、写真に示すような変状が確認された。今後、同種の施設構造物にこのような変状を生じさせないための対策に関する、次の(1)~(4)の記述のうち、不適当なものはどれか。

 (1) シース内の空隙の発生を抑制するため、ノンブリーディングタイプのグラウトを採用する。
 (2) PCグラウトの充填性を向上させるため、シース径を小さくする。
 (3) PCグラウトの注入量を管理するため、グラウト流量計を導入する。
 (4) 床版面からの雨水等の侵入を防止するため、定着位置を桁端部へ変更する。

正答:2

 PC鋼材に沿ったひび割れはPC鋼材の発錆に起因するもので、グラウト不良やシース内への水分の侵入を原因とします。
 (1) ノンブリーディングタイプのグラウト使用が標準とされおり、正しい記述です。
 (2) シース径を小さくした場合、充填性が低下し、グラウト不良が生じます。即ち本選択肢が不適当です。
 (3) グラウト流量計を用いることでグラウトの量を管理し、グラウト不良の防止を図ります。
 (4) 記載の通りです。昭和50年代前半まではすべての鋼材を端部に定着することができず、一部を床版上面に設置されていました。

問33:橋梁

 写真は、長期的な供用が予定されている幹線道路の、沿岸部にある鉄筋コンクリートT桁橋の劣化状況である。この橋梁の対策として、次の(1)~(4)のうち、最も適当なものはどれか。

 (1) 外ケーブルの設置
 (2) 鋼板接着
 (3) 電気防食
 (4) 架替え

正答:4

 写真等より適切な対策工法を選択する問題です。①広範囲に及ぶ鉄筋の露出が確認されるため、電気防食によって防食を図る段階にありません。②コンクリートの剥落により部材の断面が欠損しているため、このままでは十分な補強効果は望めません。このため外ケーブルや鋼板接着は不適当です。
 以上より架替えが最も適切な選択肢となります。

問34:火害

 北陸地方の内陸部にある工場の鉄筋コンクリート基礎(機械基礎)において、写真1および写真2に示すような変状が発生していた。この基礎は稼働時に高温となる鋼管(キルン)の直下に位置する。この変状の進行を抑制する対策に関する次の(1)~(4)の記述のうち、適当なものはどれか。なお、コンクリート中の鉄筋に腐食はなく、ひび割れについては樹脂注入を行うものとする。

 (1) けい酸ナトリウムを主成分とする表面含侵材による表面改質
 (2) 流電陽極方式による電気防食
 (3) ポリウレア樹脂による表面被覆
 (4) 炭酸アリウムを電解液とする再アルカリ化

正答:1(?)

 写真等から適切な対策工を判断する問題です。参考書によって回答が異なっており、正答が不明です。
 求められているのは「変状の進行を抑制する対策」であり、当然高熱となる鋼管の除去が最も確実です、が、選択肢にありません。次点の策を探します。

 編集中・・・

問35:疲労

 道路橋の鉄筋コンクリート床版の疲労に関する、次の記述中の (A) ~ (C) に当てはまる (1) ~ (4) の語句の組み合わせのうち、適当なものはどれか。

 床版では乾燥収縮によるひび割れが生じ、輪荷重の繰返しや浸透水の影響を受けて ( A ) ひび割れが発生する。ひび割れの進展に伴い ( B ) に対する耐力が低下し、最終的には疲労により ( B ) 破壊する。これらの予防対策として床版防水と、剛性向上を目的とした ( C ) が有効である。

正答:2

 編集中・・・

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