2018年問16~20【コンクリート診断士】
問16:超音波法
コンクリートに生じたひび割れの深さを超音波法により推定する方法に関する、次の記述中の(A)~(C)に当てはまる(1)~(4)の語句または式の組み合わせのうち、適当なものはどれか。
コンクリート中を伝搬する弾性波がひび割れ先端部分において ( A ) する現象を利用することで、ひび割れ深さを推定することができる。ひび割れ深さの推定方法には、弾性波の伝搬時間を利用する方法と受診派の ( B ) に着目する方法の2種類がある。
後者の方法では、下図に示すように、発信子および受信子を等間隔でひび割れから遠ざけるように走査しながら測定する。 ( B ) が初めて反転する直前の発信子と受信子の間隔をLとすると、ひび割れ深さは ( C ) として推定される。
正答:4
弾性波を用いたひび割れ深さの測定原理は下記に分類されます。
① 伝搬時間の測定
② 周波数の測定
③ 受信波の位相変化
④ 振幅分布の測定
本問題は③受信波の位相変化であり、弾性波の回折を利用します。ひび割れの先端で弾性波が回折し受信子が受信し、位相が反転する受発信子間隔はひび割れ深さの約2倍となります。即ち、ひび割れ深さは受発信子間隔の半分( = L/2)となります。
上記解説は参考図書やインターネット上の受け売りです。詳細は勉強中で改めて更新しますので、しばしお時間をいただきたく存じます。
問17:電位差滴定法
コンクリート中の塩化物イオン量を、JIS A 1154:2012(効果コンクリート中に含まれる塩化物イオンの試験方法)の電位差滴定法により測定した。下表の条件により滴定を行った結果は、下図のとおりであった。このコンクリート中の塩化物イオン量として、次の(1)~(4)のうち、正しいものはどれか。
正答:1
解き方を覚えれば容易に解答可能なうえ、理屈も単純な問題です。
求められているのはコンクリート中の塩化物イオン量です。
① 試料1g中の塩化物イオン = 0.0003545 ( g / mL ) × ( 15 – 12 ( mL ) ) ÷ 10 ( g ) = 4.16 × 10-4 ( g )
(図より滴定量 15 mL (実数量は空試験値 2 mL を除いた 13 mL )時に滴定され、微粉末試料は 10.00 g 、 1 mL あたりの塩化物イオン相当量は 0.0003545 g → 【 g / mL 】・【 mL 】・【 g 】より【 g / g 】を得る )
② コンクリートの単位容積質量 = 2.30 g / cm3 = 2.30 t / m3
③ コンクリート1m3中の塩化物イオン = 4.61 × 10-4 ( g / g ) × 2.30 = 1060 ( g / m3 ) = 1.06 ( kg / m3 )
(コンクリート 1 g あたりの塩化物イオン量 4.61 × 10-4 g / g 、コンクリートの単位容積質量 2.30 g / cm3 → 【 g / g 】・【 g / cm3 】より【 g / m3 】=【 kg / m3 】を得る)
問18:アルカリシリカ反応性試験
アルカリシリカ反応の疑いがあるコンクリート構造物からコアを採取し、コンクリート中のアルカリ量を推定した。推定方法に関する、次の記述中の(A)および(B)に当てはまる(1)~(4)の語句の組み合わせのうち、適当なものはどれか。
コアを粉砕して得られた粉末試料を用い、( A )で抽出した場合には全アルカリ量を、温水で抽出した場合には水溶性アルカリ量を求めることができる。抽出後、ろ液中のアルカリ金属イオンの濃度を( B )分析で定量し、コンクリート中のアルカリ量を求める。なお、これらの方法により得られるアルカリ量は、試料中の骨材量の影響を大きく受ける。
正答:4
コンクリート中のアルカリ量を推定する手法として”原子吸光光度計を用いた方法”および”ICP発光分析装置を用いた方法”が挙げられます(ICP = Inductively Coupled Plasma = 誘導結合プラズマ)。
問19:四電極法
四電極法(Wenner法)によるコンクリートの電気抵抗(比抵抗)の測定に関する、次の記述中の(A)~(C)に当てはまる(1)~(4)の語句の組合わせのうち、適当なものはどれか。
四電極法は、下図のように、等間隔Lで一列に並べた4本の電極のうち、電極 ( A ) の間に直流または10~100Hz程度の交流電流を印加した状態で、その電流量電極 ( B ) の間で計測される電位差から電気抵抗を求めるものである。コンクリートの含水率が一定の場合、塩化物イオンの拡散係数が ( C ) コンクリートほど、測定される電気抵抗は大きくなる傾向を示す。
正答:1
四電極法の原理を問う問題です。両端の電極(①および④)に配置した電極間に交流電流を印加したときの内側の電極(②および③)間の電位差より、電気抵抗を求めます。塩化物イオンの拡散係数が小さいほど、電気抵抗は大きくなります。「拡散係数が小さい=拡散しにくいち密な構造=電気が流れにくい=電気抵抗が大きい」とのイメージです。
問20:コンクリートの配(調)合
下図は、硬化コンクリートの配(調)合をセメント協会法により推定する手順を示したものである。図中の(A)~(C)に当てはまる次の(1)~(4)の語句の組み合わせのうち、適当なものはどれか。なお、対象のコンクリートには石灰石骨材を用いていないものとする。
正答:3
編集中・・・
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