擁壁に作用する荷重③

基準は?

道路土工-擁壁工指針(H24.7)p.50~

理屈は?

水圧および浮力

高い水位がある場合、浮力による鉛直荷重の軽減により滑動および転倒が生じやすくなります。

ただし、擁壁工指針p.55に”排水工を適切に設置することを前提として、一般的な擁壁では、水圧の影響を考慮しなくてもよい”と明記されています。この文言に従い、擁壁工指針p.203~に準ずる排水工を設けることで水圧の検討は省略します。

地震の影響

地震の影響としては以下の3項目を検討します。

①擁壁自重に起因する慣性力
②地震時土圧
③地盤の液状化の影響

沖縄県設計要領では、8m以下の擁壁は地震の影響を省略すると明言されています。

筆者は8mを超える擁壁を設計したことがありません。基準を熟読のうえ後日記事を修正します(すみません。

風荷重

擁壁に遮音壁や目隠しパネルを設ける際に検討します。

風上側 2kN/m2
風下側 1kN/m2

風荷重は照査の省略が明記されており、以下のようなパターンが示されています。(擁壁工指針p.58~)

①高さ5m以下の遮音壁等を直接設ける場合 → 擁壁の安定性照査を省略。
②高さ2m以下の擁壁に直接設ける場合 → 擁壁の安定性照査を行う。
③遮音壁等の高さが5mを超える場合 → 擁壁の安定性照査を行う。

即ち、5m以下では擁壁自体の安定性が左右されにくいため省略可能(①:基本的な考え方)。
しかし、「高さが2m以下の擁壁(鉛直荷重が小さいため滑動・転倒が危険側)」、「遮音壁等の高さが5mを超える(水平荷重が大きいため、滑動・転倒が危険側)」である場合は省略不可となります(②③:例外)。

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