かぶり(耐久性)
基準は?
擁壁、ボックスカルバート、橋梁の鉄筋のかぶりは「道路橋示方書」によって定められています。厳密には下記の通りの基準書に従いますが、結論「道路橋示方書Ⅲ コンクリート橋編」「道路橋示方書Ⅳ 下部構造編」に集結します。
擁壁 → 「道路土工 擁壁工指針(H24) p.151」 → 「道路橋示方書 コンクリート橋編」
ボックスカルバート → 「道路土工 カルバート工指針」
橋梁(下部構造) → 「道路橋示方書 コンクリート橋編」
橋梁(コンクリート部材) → 「道路橋示方書 下部構造編」
理屈は?
塩害の影響の度合いの地域区分により対策区分がS、Ⅰ、Ⅱに区分され、それぞれ下図の通りのかぶりが要求されます。
ここでS区分の対策としてはかぶりのみでなく、鉄筋塗装等の対策を併用することが求められることに留意が必要です。一般的にはエポキシ樹脂塗装鉄筋が用いられます。
一例として、対策区分SにおけるL型擁壁のたて壁の断面を用いて説明します。かぶりは最も外側にある鉄筋を基準に考えます。「鉄筋表面からの離れを指す純かぶり」と、「鉄筋の芯からの距離を指す芯かぶり」がありますが、上記の基準は純かぶりの考えによります。
すべての鉄筋がD13であれば下式のように考えると主鉄筋の芯かぶりから100mmではかぶりが不足します(最小かぶり70mmに対して67.5mm)。そのため芯かぶりは110mm以上とします(10mm単位)。
芯かぶりを基準とする話をするのは電算ソフトが芯かぶりを採用していることがあるためです。実務の際は表示されているかぶりが純かぶりか芯かぶりかを良く確認してください。
補足
日本道路協会の基準によれば、塩害に対する影響として海岸線からの距離が対策の基準とされています。
沖縄県においては全くなじみがありませんが、コンクリート構造物の塩害の原因の一つに凍結防止剤の散布が挙げられます。
路面凍結を防止することを目的に散布されるNaClがコンクリート中に浸透することで塩害が生じます、寒冷地では一般的な検討事項です。
道路橋示方書・道路土工内に指針があるのでしょうか、または他の基準書によるのでしょうか。勉強不足な気がします。
参考:用語集 かぶり 塩害 対策区分 道路橋示方書 道路土工
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