R4(6)ICT、IoT、AI技術の利活用(RCCM問題Ⅲ解答例)
設問
設問①、②について、1200~1600字の間で記述しなさい。次の8つの用語「働き方改革」「長時間
労働」「テレワーク」「ネットワーク環境」「Web会議」「RPA」「BIM/CIM」及び「緊急事態宣言」の
なかから4つ以上を用いて記述しなさい。 記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用い
ていればよい。
①我が国における建設生産性向上のためのICT利活用の現状と課題
②我が国の建設業、建設コンサルタント業におけるICT、IoT、AI技術の活用方策
以下、解答例です。
我が国における建設生産性向上のためのICT利活用の現状と課題
激甚化・頻発化する自然災害への対応、建設後50年を経過する老朽化インフラの加速度的な増加、若手技術者の獲得不足と団塊の世代に代表される熟練技術者の大量離職による担い手不足と技術の空洞化、新型コロナウイルス感染拡大による財政状況の悪化等、我が国や建設コンサルタントを取り巻く社会問題はいずれも重大なものとなっている。
特に担い手不足と老朽化インフラの増加は喫緊の課題とされており、人材不足を補うためには新技術やICT等デジタル技術の積極的活用による生産性向上の加速を図ることが必要不可欠となっている。
国土交通省はかねてよりi-Constructionの推進により建設現場の作業効率化や魅力ある職場環境の創出に取り組むことで一人一人の生産性向上、経営環境の改善、技術者単価の向上、現場作業の安全性向上を図ってきた。
計画・調査・設計・施工・維持管理に3次元モデルを活用するBIM/CIMやドローンを用いた測量・構造物点検、3Dマシンコントロール(情報化施工)等の取り組みはその一例であり、デジタル技術の活用が強力に推進されてきたのが現状である。
ICT利活用に当たっては、システムの導入とデータのデジタル化・蓄積が必要となる。デジタル化したデータを十分に運用するためには行政や民間企業のICT等技術の導入促進、運用基準の整備、行政・民間企業間のデータ連携の円滑化、データ流出のリスク管理の強化等の取り組みが必要となる。
また、データのデジタル化により他分野・他機関とのデータのやり取りが容易となる。即ち、従来の区分に囚われない横断的なデータの活用が容易となり、効率的な社会資本整備・維持管理が可能となるため、この活用手法を実現するための早期の環境整備も課題となっている。
近年においては地図等基盤情報のデジタル化やセンサーを用いた道路交通情報の集積によるビッグデータの構築が進められており、建設コンサルタントはこのビッグデータの活用手法を早期に習得することが重要となる。
我が国の建設業、建設コンサルタント業におけるICT、IoT、AI技術の活用方策
建設業、建設コンサルタント業におけるICT、IoT、AI技術の活用方策は、特に推進が必要・可能である方策は次のものが挙げられる。
①高度な水管理・水防災システムの構築。集中豪雨をリアルタイムで把握可能なXRAINの運用やドローンの活用による河川巡視の高度化、センサーを活用した下水道管路内の水位測定等、河川・下水道氾濫や土砂災害等への対応の高度・効率的・安全なものへの発展が期待される。
②新たな生活様式に資する活用。「働き方改革」や新型コロナウイルスの感染拡大により、社会生活の様子は大きな変化を余儀なくされた。
「テレワーク」や「Web会議」が整備・普及されることにより、時間や場所を有効に活用可能となる新たな生活様式が構築可能となった。情報共有システム(ASP)の活用や遠隔臨場等による生産性向上も期待され、業務効率化に伴う「長時間労働」の改善や脱炭素型ライフスタイル取組みの促進等のメリットも発生する。
③スマートシティの推進。国土交通省はICTの活用により交通網やエネルギー等インフラの効率化を図り生活やサービスの質を向上させた都市をスマートシティと位置付け、その推進を行っている。
この持続可能な都市構造を全国に展開すべく、現在では実証実験が行われており都市サービスの導入段階にある。複数サービスの全体最適化を実現するスーパーシティへ発展させる構想も検討され始めている。
④交通関連ビックデータを活用した新たなまちづくりへの寄与。移動に関するシミュレーション技術の活用によるパーソントリップ調査やセンサーや位置情報システムを活用した効率的な都市交通調査、調査結果の見える化システムの構築により、都市計画の高度化への寄与が期待されている。
上記4項目の他、NETISを活用した新技術の普及推進、インフラ維持管理の合理化と信頼性向上、スマートアイランドへの取組みの推進など実に多くの取組み、可能性が残されており、建設業界はICTに代表される新技術を習得・活用し、様々な社会のニーズに応えるべく更なる発展・展開が求められている。

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