R4(1)担い手確保と働き方改革
設問
設問①、②について、1200~1600字の間で記述しなさい。次の7つの用語「デジタルトランスフォ
ーメーション(DX)」「処遇」「長時間労働」「就業環境」「生産性向上」「ワークライフバランス(WLB)」
「ダイバーシティ」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲
んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用
いていればよい。
①建設コンサルタントの担い手確保・育成の課題
②建設コンサルタントの働き方改革のあり方
以下、回答案です。
建設コンサルタントの担い手確保・育成の課題
今日の建設業界においては、若手技術者の減少・獲得不足や団塊の世代に代表される熟練技術者の退職により、技術の継承が困難となっている。このため技術の空洞化が生じ、将来における社会資本の整備・維持管理の適切な実施が危ぶまれている。令和元年6月に制定された改正品確法では、建設業界の担い手の確保・育成が明記され、建設コンサルタントも担い手の確保・育成が最重要課題のひとつとしている。
このような状況下において担い手確保・育成を実現するためには、次に示すような課題を解決することが必要となる。
①負担の大きい労働環境。建設コンサルタント業労働者の所定時間外労働は、納期の集中する2~3月に向けて増加傾向であり、「長時間労働」をせざるを得ない労働環境となっている。内的要因として技術者不足や工程管理不備等、外的要因として業務量と工期のアンバランスや設計条件確定の遅れ等が挙げられており、これらの改善を図ることが課題となっている。
②「ダイバーシティ」取り込みの遅れ。担い手確保のためには、多様な人材の積極的な確保・活用が重要視されるようになった。女性やシニア世代を採用するにあたっては、ライフ・イベント休暇制度(出産・育児・介護等)の採用や企業内保育所の設立、シニア世代が技術者として継続して活躍できる制度の確立等、様々な人材への配慮が必要とされている。
③若手技術者のチャレンジ機会の不足。従来の入札契約制度では、熟練技術者が管理技術者となる事が多く、若手技術者が主体的に業務を遂行する機会が少なかった。このような状況を鑑み、各地方整備局では“管理技術者に代えて管理補助技術者を評価する方式”や“若手技術者に配慮した評価項目を設定する方式”、“一定の年齢以下であることを参加要件に設定する方式”をはじめ多様な方式を試行している。このような若手技術者の活躍を期待した方式の検討を進め、早期の定着・一般化を実現することが課題となっている。
建設コンサルタントの働き方改革のあり方
働き方改革の推進により、建設業界もまた従来の働き方を見つめなおし、現在の社会や労働者のニーズに合わせた変化が求められている。働き方改革に併せて担い手不足の解決に取り組むことが必要とされているが、そのためには業界の成長や技術者の「処遇」改善等に取り組み、建設業界の更なる魅力向上・発信を図ることが重要である。
このため、建設コンサルタントの働き方改革として、企業毎の取り組みや官民連携の対策などの様々な積極対応を重要視しつつ、次に示すようなあり方を目指す必要がある。
①「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進。担い手不足、財政的拘束、老朽化インフラの急増等を受け技術者一人一人の生産性向上が必須となっている。BIM/CIMを含めたデジタルトランスフォーメーションを主体的に推進するとともにDX推進の環境整備・賃上げ環境整備を着実に行うことが重要となる。また、IoTやICT、AI等のデジタル技術の導入は、安全性の向上、技術の蓄積、経営環境の改善に寄与し、社会問題の解決や社会資本への国民の理解促進を図ることが可能となる。
②「就業環境」の改善。担い手不足が懸念されている建設業界は、「長時間労働」や女性雇用の少なさ等ステレオタイプの環境・構造を改善し、魅力的な働き方の発信や負のイメージの払拭を図ることが必要となっている。そのためには企業からの支援や環境整備を軸とした働きやすい就業・生活環境の創出を図り、「ワークライフバランス(WLB)」を充実させることが重要となる。働きやすい就業環境創出の取組みとしてはノー残業デーの設定、裁量労働制の導入、テレワークやWEB会議の推進等が挙げられる。
③業務量の平準化。納期や発注時期の集中によって繁忙期・閑散期が発生し、年度末における業務の集中化が生じているのが現状である。建設コンサルタンツ協会は納期の平準化を早期に取り組むべき重要課題とし、発注時期及び納期の平準化や、繰越処理の柔軟な運用を図ることで年間を通した業務量のアンバランスを解消することが可能となる。

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