透水係数を左右する要因
土の透水係数は、次の要素に影響を受けます。
1. 粒径の影響
土の透水係数は土粒子の粒径に大きく影響を受けます。粒径が大きいと間隙も大きくなり、即ち通水断面積が大きくなることで透水係数が大きくなります。同様の考え方で粒径が小さい場合は透水係数が小さくなります。
ハーゼン(Hazen)はこの点より、下式を提案しました。
k = Ce × D102
ただし、k :透水係数 (cm/sec)
Ce:土の状態等により定める定数
D10:10%径 (cm)
※均等な砂のCe=150、緩い細砂=100、締まった細砂=70、等
この式は細粒度に適用できないことに留意が必要です。
2. 間隙比の影響
同じ土においても、土の締まり具合(間隙比が大きい:締まった状態、間隙比が小さい:緩い状態)によって、間隙の大きさが異なります。このため間隙比も透水係数に大きな影響を与えます。
3. 間隙の形状と配列
粗粒土の配列は単調なものです。対して細粒土の配列は形状(薄片状)や電化によって複雑なものとなります。それに伴って間隙も複雑なものとなることから、細粒土の透水係数に大きな影響を与えます。
4. 間隙中の気泡の存在
不飽和状態である場合、間隙中の空気が水の流路をふさぎます。このため、不飽和土の透水係数は飽和度のそれと比して小さくなります。
5. 透過流体の影響
間隙中を透過する流体によっても、透水係数は影響を受けます。特に流体の単位体積重量γfに比例し、粘性係数ηに反比例します。
透水係数の推定式
以上の要因を考慮した推定式として、テイラー(Taylor)の式およびコツェニー・カルマン(Kozeny-Carman)の式が挙げられます。
k = C × ( γw / η ) × ( e3 / ( 1 + e ) ) × Ds2
k = ( 1 / ( K0 × S2 ) ) × ( γw / η ) × ( e3 / ( 1 + 3 ) )
ただし、k :透水係数
C :間隙の形状係数
γw:透過流体の単位体積重量
η:透過流体の粘性係数
e :間隙比
Ds:透過粒子径
k0:間隙の形状と配列などによる係数
S :比表面積
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