土粒子の形状と土の構造

土粒子の形状

 土の性状に大きく影響する土粒子の形状は、大きく「粒状」と「薄片状」に分類されます。主に砂・礫は粒状を、粘土・シルトは薄片状を呈します。
 更に粒状のものは、破砕されたままの角ばったものから、土粒子の移動に伴って角がなくなり丸みを帯びたものがあります。これが川砂等が丸みを帯びる理由であり、川砂や河原敷きの石がそこに運搬されるまでに水や河床との摩擦により徐々に成型(?)されることが原因となります。

土の構造

 土を微視的に見た場合、土粒子の噛み合い・組み合い方がその性質に大きな影響を与えます。この噛み合い・組み合い方を”土の構造”、”土粒子の骨格構造”と呼びます。

単粒構造(粗粒土)

 粗粒土の構造は、主に土粒子同士の接触による摩擦力によって支えられます。このような構造を”単粒構造”と呼びます。この構造は土粒子の噛み合い方によって、下図のように空隙率が大きく変わります。

 このように土粒子の噛み合い方によって(a)から(b)に変化することは、液状化の検討に関連します。詳しくは液状化の検討を参照ください。
 密な状態となった上図(b)にも、当然空隙は残ります。この空隙を更に減少させるには、どのような方法があるでしょうか。一般的な正解は、「その間隙を埋めるような土粒子を混ぜる」です。即ち、粒度分布が良い土が締固め易いことを示します。

綿毛構造(細粒土)

 細粒土の構造の一つは綿毛構造です。これは、下図のように大きな間隙を有することが特徴です。

 一般的に、薄片状の土粒子は端部にプラスの、粒子面部にマイナスの電荷をもっています。このような土粒子が海水中に沈殿することで、それらの電荷が作用し、上図のように土粒子端部と土粒子面部が接触するような構造をとります。海水が起因する理由は、イオン濃度が高い(NaやClを多く含む)ためです。

配向構造(粘性土)

 細粒度の構造の一つは配向構造です。下図のように長辺方向がそろうように折り重なった構造を呈します。
 

 土粒子が淡水中に堆積・沈殿した場合や、綿毛構造が圧密変形したときにこの構造をとることが多いです。

ランダム構造(粘性土)

 細粒度の構造の一つはランダム構造です。下図のように全くランダムな構造を呈します。

 土の構造を人為的に練り返した場合などに、この構造となります。

粘土・コロイド粒子の微視的構造

 粘土やコロイドは、粗粒土とは異なる性質を持ちます。上述の通り粗粒度は土粒子の接触による摩擦力によって構造が支配されるのに対し、細粒で薄片状の土粒子は次のような特徴を有します。

 ①表面電化:細粒薄片状粒子は、粒子端部が+(プラス)の、粒子面部が-(マイナス)の電荷を帯びている。この電荷が原因で、海中堆積粘土は綿毛構造を呈します。
 ②吸着水層:細粒薄片状粒子の表面には、固体的挙動を示す水分が存在します(吸着水層)。
 ③比表面積が大きい:質量1gの1つの粒子と、質量1gの何百万の粒子の比表面積は、後者のほうが圧倒的に大きいです。比表面積が大きいことは上記の①②の特性を増幅させるため、細粒土としての特徴が顕著となります。

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