土粒子の大きさと粒径加積曲線

土の力学的特性等は、土粒子の大きさと形状に大きく影響されます。実務においては特に粗粒土か、細粒土かで利用する土質定数、式が異なり、それを把握することは土質に関する検討の前提となります。

土粒子の大きさおよび土の粒径による分類

 土粒子の大きさ(=粒径)に着目して分類する方法を、「土の粒径による分類」と呼びます。下表はJGS0051-2009(地盤材料の工学的分類方法)に示される「地盤材料の粒径区分とその呼び名」”です。

 粒径75μm(0.075mm)より小さいものを細粒分(シルト・粘土=粘性土)、粒径75μmより大きく75mmより小さいものをを粗粒分(砂・礫=粗粒土)、75mmより大きいものを石分として分類します。
 設計では、細粒分か粗粒分かが設計条件の重要な分かれ目となります。

粒径加積曲線と粒度分布

 土粒子の大きさの分布状況(粗砂が全体の〇%、シルトが全体の✕%等)を粒度分布と呼びます。粒度分布は、土の粒度試験により求めることができます(JIS A 1204:土の粒度試験方法)。
 粒度分布は粒径加積曲線で表現されます。

粒径加積曲線:土粒子の粒径を横軸(対数目盛)に、ある粒径より細かい粒子の含有割合を土粒子の全質量に対する百分率(通過百分率)にとり、ある土に含まれる粒子の大きさの相互の関係を曲線で表します。

図_粒径加積曲線

 

粒径加積曲線は、次のような特徴を有します。
① 粒径が小さい土粒子が大きな割合を占める場合、曲線は図左に寄る。
② 粒径が大きい土粒子が大きな割合を占める場合、曲線は図右に寄る。
③ 様々な粒径の土粒子が適度に混じりあう場合、曲線はなだらかに、左右に広く広がる。
④ 特定の粒径が大部分を占める場合、曲線は急勾配になる。

 粒径加積曲線より、通貨質量百分率が10%に該当する粒径をD10、60%に該当する粒径をD60と定義されます(D10は有効径とも呼ばれます)。
 このD10およびD60より、下式のように均等係数Ucが定義されます。均等係数はD10に対するD60の割合を表します。

 Uc = D60 / D10

図_D10およびD60(例)

均等係数Ucより、「Ucが小さい→D10がD60に対して少ない→粒度曲線が広く分布している=粒度配合が良い」「Ucが大きい→D10がD60に対して多い→粒度曲線が狭く分布している=粒度配合が悪い」ことが把握できます。

 

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