有義波(H1/3、T1/3)

 ある波群中で波高の大きい波から数えて、全体の波の数の1/3の数の波を選び出し、それらの波高及び周期の平均値に等しい波高及び周期をもつ仮想的な波をいう。

漁港・漁場の施設の設計参考図書 – 36 – (水産庁 2015年版[上])

 有義波は、波高、周期の不規則な波群を代表する仮想的な波であり、波浪観測技術が乏しかった時代に行われていた目視観測の波群の中の最大波高を平均した値にほぼ等しいこともあり、海洋における施設の設計において古くから用いられてきた。また、有義波の周期は、波のスペクトルのピーク周期波数に対する周期とほぼ等しいことも分かっている。このため、海域における施設の設計に際しては、有義波を基本条件としている。ただし、実際の波は不規則波であるため、後述するレーリー(Rayleigh)分布を仮定した場合、有義波高より大きい波高が全波数の13%程度発生する可能性があることに留意する必要がある。

漁港・漁場の施設の設計参考図書 – 38 , 39 – (水産庁 2015年版[上])

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